環境配慮・貢献製品

環境問題をはじめとする社会的課題の解決に、メーカーであるSIIは本業を通じて寄与していきたいと考えます。「匠・小・省」の技術をもとに、ライフサイクルの視点で、省エネ性や省資源性の向上、生物多様性保全、化学物質の使用抑制など、環境に配慮した製品やお客さまの製品の環境性能を向上できる製品、そして環境の改善に貢献する製品やサービスの創出に注力しています。

グリーン商品ラベル制度

SIIエコプロダクツ

SIIは、SIIの環境配慮型製品を広く知っていただくために、2001年12月に環境ラベルタイプⅡ(ISO14021)を参考にして『SIIグリーン商品ラベル』制度を導入しました。

2020年のセイコーグループの事業再編成を機に、現在はセイコーグループ(株)のグリーン商品ラベル制度として運⽤しています。

グリーン商品認定基準

製品群ごとに独自に定めた商品別5段階評価基準に基づき、各環境配慮項目を評価し、平均点が3.5点以上(5点満点)をクリアーした商品を『グリーン商品』として認定します。評価基準は2年に1度見直しを行い、 2016年度からはグリーン商品認定基準の環境配慮項目に「生物多様性への配慮」を追加し、環境配慮に対する評価を強化しました。

2022年度からは、脱炭素や海洋プラスチック問題に対応すべく、基準を大幅に改定しました。
グリーン商品認定基準の環境配慮項目に「Scope3の算定」、「サプライヤーへの脱炭素へ向けた協力要請」、「Scope1,2の削減」を追加し、より広範囲な視点で温室効果ガスの削減に取り組む制度にしました。
また、従来の環境配慮項目である「再使用部品・リサイクル材料使用部品使用」および「梱包の小型化or軽量化」については「プラ材を含む」ことを強調した基準とし、脱プラスチックを意識するとともにプラスチック資源循環促進法への対応を可能な仕組みにしました。

◆グリーン商品認定基準の概要

  • 環境配慮項目は、全商品共通25項目を基本とする。
  • 各項目について商品別に5段階評価のための判断基準を決める。
  • 判断基準は独自の調査により業界同種製品の環境配慮レベルについて5段階の基準を定めた『絶対評価基準』を優先する。
    ただし『絶対評価基準』が困難な項目がある場合は、従来製品との比較で環境配慮レベル向上度について5段階の基準を定めた『相対評価基準』で代替する。
  • 判断基準は極力数値基準とする。
  • 判断基準は2年に1回見直し改定をする。
点数 絶対評価基準の考え方 相対評価基準の考え方
5点 一流トップランナー 従来製品より圧倒的に改善
4点 トップ集団 従来製品より大幅に改善
3点 第2集団 従来製品より改善
2点 平均的レベル 従来製品と同レベル
1点 低レベル 従来製品より低下

◆グリーン商品認定基準の環境配慮項目

  1. 使用時消費電力
  2. 待機時消費電力
  3. 製品の重量
  4. 再使用部品・リサイクル材料使用部品使用(プラ材を含む)
  5. 使用済製品のリサイクル可能性
  6. 製品の長寿命化
  7. 物品への含有回避物質*1の含有抑制
  8. 物品への条件付含有禁止物質*1の含有禁止
  9. 物品への含有禁止物質*1の含有禁止
  10. 梱包の小型化or軽量化(プラ材を含む)
  11. 梱包での発泡材使用抑制
  12. 梱包での塩ビ、重金属使用回避
  13. 製造工程での省エネ
  1. Scope3の算定
  2. 製造工程での省資源
  3. 製造工程での使用回避物質*1の使用抑制
  4. 製造工程での使用禁止物質*1の使用禁止
  5. グリーン購入の実施
  6. サプライヤーへの脱炭素へ向けた協力要請
  7. 解体作業容易性
  8. 分別作業容易性
  9. 取説等への情報開示
  10. お客様の製品の環境性能向上や人々が生活する環境の保全に貢献
  11. 生物多様性への配慮
  12. Scope1,2の削減*2

*1 グリーン購入基準書で定めた基準による

*2 生産工程での再生可能エネルギーの導入に関する評価

ハイグレードグリーン商品ラベル制度

ハイグレード商品logo

2006年10月から、グリーン商品の中でも極めて環境性能の高い商品を「ハイグレードグリーン商品」として認定する制度を新たに導入しました。シンボルマークの下には「HIGH GRADE」の文字を付加することで、環境性能の高さを表現しています。

ハイグレードグリーン商品認定基準

グリーン商品認定基準を満たした上に、以下の「付加条件」の2項目を満たした製品を、ハイグレードグリーン商品として認定します。

2019年4月からグリーン商品申請の際に、条件を満たしていれば同時にハイグレードグリーン商品申請が可能な仕組みに改訂しました。

基本条件 グリーン商品認定基準を満たしている。(グリーン商品認定基準評価項目による評価の平均点が3.5点以上)
付加条件 1) グリーン商品認定基準評価項目による評価の平均点が4.2点以上
2) グリーン商品認定基準評価項目のうち5点の項目で、具体的に環境性能等が説明できる特徴を有している

審査の仕組み

グリーン商品およびハイグレードグリーン商品の認定審査は事業部の申請によって実施されます。書類審査に留まらず、申請部門と事務局による質疑応答の時間を設けることで、環境配慮に対する意識づけや将来の可能性について検討の機会を促しています。審査会では、申請された対象製品のグリーン商品基準評価シートに基づき、ライフサイクルの様々な観点から審査を行っています。審査会の内容や結果は申請部門以外の事業部門にも展開し、事業部門間の環境配慮設計に関連する情報交換にも役立っています。

グリーン商品/ハイグレードグリーン商品

2023年度認定製品の一例: 汎用内面研削盤 STG-3NX

グリーンプロダクツの進化

グリーンプロダクツの進化 -環境に配慮した製品・貢献する製品-

SIIでは3つのグリーン「グリーンプロセス・グリーンプロダクツ・グリーンライフ」を環境経営の基本コンセプトにしています。
中でも、グリーンプロダクツ、すなわち環境に配慮し、また貢献できる製品を創出していくことはメーカーの使命だと考え、SIIの技術理念である「匠・小・省」をベースに、環境に配慮した製品・貢献する製品を提供しています。

グリーンプロダクツの進化
グリーン商品
2001年12月 グリーン商品ラベル制度導入 グリーン商品ラベル
2006年10月 ハイグレードグリーン商品ラベル制度導入 ハイグレードグリーン商品ラベル

グリーンプロダクツplus
2010年7月 SIIグリーンプロダクツplus(プラス)の概念を発表
グリーンプロダクツplus

グリーンプロダクツplus概念図

提供範囲の拡大
2013年3月 グリーン商品ラベル制度のソフトウェア・サービスへの運用開始

■ 評価方法の基本的な考え方

ソフトウェア又はサービスの導入により、導入前に比べて環境負荷(CO2)が増加する量と削減する量を算出し、トータルでCO2の低減効果が見込める場合をソフトウェア・サービスのグリーン商品認定の条件とします。
例えば、インターネットの利用などで文書を共有することにより、新たな機器の使用に伴う電力や通信が必要になり、CO2が増加することが見込まれます。
しかし、同時に用紙の使用や人の移動、物の運搬等が不要となるために、増加分を上回る大幅なCO2が低減効果が見込まれます。

ソフトウェアサービス導入

■ 環境負荷(CO2)の増減を評価する項目

1)物の使用、消費 紙、CD、消耗品など
2)物の移動 トラック輸送など
3)物の保管 図面、書類、機器などの保管
4)人の移動 車、電車、バスなどによる移動
5)オフィススペース 人、機器などのスペース
6)機器の電力使用 PC、プリンタ、サーバーなどの消費電力
7)ネットワーク利用 データ通信量
8)その他 上記以外で環境負荷の増減が見込めるものがある場合

■ グリーン商品としての判定基準

各評価項目の負荷の増減を合計して、トータルでCO2低減となることが必要条件で、さらに審査により、そのシステムの規模や削減効果を総合的に考慮してグリーン商品の認定を判断します。

グリーンプロダクツ創出のプロセス

SIIのグリーンプロダクツの創出には、部門を越えた横断的な協力体制のもと取り組んでいます。また、グリーン購入を通じてサプライヤーの皆様にもご協力をいただいています。

グリーンプロダクツ創出のプロセス

グリーン商品/ハイグレードグリーン商品

グリーン商品ラベル制度に適合している商品群は以下の通りです。写真をクリックしていただきますと、商品の説明または商品群別の機種一覧がご覧いただけます。