化学物質管理
環境汚染や事故の原因となる化学物質は、正しく安全に管理していくことはもちろんのこと、使用量の削減や安全性の高い化学物質への代替など、環境負荷低減に向けた取り組みも企業の重要な責任です。化学物質を使用しているSIIの各拠点では適正な管理や削減活動、また継続的に化学物質管理の教育や訓練を行っています。
2022年度の総括
化学物質による汚染リスクなどを回避するには、化学物質を物理的に削減することも重要ですが、化学物質に対するマネジメント体制も重要だと考えます。SIIでは社内講師による化学物質管理教育の実施、緊急事態の訓練、日常点検や内部監査での管理状況の確認、そして有資格者の育成などに継続的に取り組んでいます。
2022年度も環境活動の年間計画に基づき、各事業所では教育訓練の実施や、内部監査により現場確認を行いリスクの低減を図りました。
化学物質の使用については可能な限り少ない量での使用に努めています。2022年度の製造工程におけるSIIが定めた管理対象物質※1の排出量は16.3トンで、前年度実績より約7.8トン削減しました。また、PRTR法※2対象物質の取扱量は49.1トンで、こちらも前年度より13.5トン削減しました。
※11SIIの国内拠点では製造工程で使用する化学物質の中で、PRTR法対象物質に加えSIIで独自に指定した自主管理物質(23物質)とVOC(揮発性有機化合物:100物質)を排出量削減の管理対象としています。
※2PRTR(Pollutant Releaseand Transfer Register 化学物質排出移動量届出制度)化学物質の取扱量、環境中への排出量、廃棄物に含まれて事業所外へ移動する量などを把握・集計し、公表する制度。企業はこの制度の対象となる化学物質について集計し、行政機関に年に1回届け出る。
PRTR法対象物質の実績(取扱量・排出量)
■2022年度PRTR調査結果(国内拠点のPRTR対象物質のみ)
※端数処理の関係で合計が100%にならない場合があります。
化学物質名 | 取扱量 | 排出 | 移動 | リサイクル | 消費 | 除去処理 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
①大気への排出 | ②公共水域への排出 | ③土壌への排出 | ④事業所内埋立 | ⑤下水道へ移動 | ⑥廃棄物としての移動 | ⑦有価物としての移動 | ⑧製品として移動等 | ⑨分解・反応等 | ||
エチルベンゼン | 564 | 151 | 0 | 0 | 0 | 0 | 413 | 0 | 0 | 0 |
キシレン | 2,652 | 180 | 0 | 0 | 0 | 0 | 673 | 0 | 0 | 1,799 |
コバルト及びその化合物 | 11,103 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 28 | 212 | 10,863 | 0 |
1,2,4-トリメチルベンゼン | 1,927 | 10 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1,917 |
1,3,5-トリメチルベンゼン | 743 | 22 | 0 | 0 | 0 | 0 | 706 | 0 | 0 | 15 |
トルエン | 1,960 | 1,125 | 0 | 0 | 0 | 0 | 628 | 0 | 207 | 0 |
鉛化合物 | 2,437 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1,891 | 0 | 546 | 0 |
ニッケル化合物 | 460 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 460 | 0 |
フェノール | 1,330 | 200 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1,064 | 0 | 0 | 67 |
ふっ化水素及びその水溶性塩 | 12,161 | 3 | 7 | 0 | 0 | 0 | 11,543 | 0 | 0 | 608 |
マンガン及びその化合物 | 10,396 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3,960 | 0 | 6,436 | 0 |
メチルナフタレン | 3,319 | 17 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3,303 |
合計 | 49,053 | 1,708 | 7 | 0 | 0 | 0 | 20,907 | 212 | 18,512 | 7,708 |
※端数処理の関係で合計が合わない項目があります。
オゾン層破壊物質への対応
SIIでは、オゾン層破壊物質である特定フロンや代替フロンの製造工程での使用は全廃していますが、冷凍機器、空調機器などの冷媒として保有しています。国内拠点ではフロン排出抑制法にのっとり、廃棄時に加え、簡易点検や定期点検などを通じて、使用時における漏洩防止に努めています。