環境リスクの低減
環境リスクの考え方
環境リスクの把握と未然防止には、何をリスクとして捉えるか、また、そのリスクが発生した際の環境への影響、リスクの未然防止策、そして発生した際の対応方法を正しく理解していることが重要です。
SIIでは、これらの環境リスクの把握と未然防止については環境教育や内部監査を通じて啓発しています。
各拠点では、ISO14001に基づきリスクの洗い出しや評価を行っています。洗い出したリスクには、
・有害物質の流出による水質、大気、土壌などの汚染リスク
・自然災害に伴う汚染リスク
・水に関わるリスク
・各国の環境法規制からの逸脱のリスク
など、さまざまなリスクがあります。
また、気候変動によるリスクは、親会社のセイコーグループ(株)によるTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に基づく情報開示への対応の中で把握しています。
環境リスクへの対応策
リスクの低減には、未然防止策を講じた上で、日常点検や緊急事態発生時の対応訓練などを行っています。
■日常点検
SIIは排水処理施設、ボイラー、空調設備、薬品タンクなど、環境関連施設・設備を有しています。これらの定期的な点検や清掃を実施し、故障やトラブルを未然に防いでいます。
■緊急事態の訓練
SIIの各拠点では環境上の緊急事態を想定し、その対応策やコミュニケーションに関する手順書を整備しています。 定期的に手順書に基づいた緊急事態対応訓練を実施し、手順書の有効性を確認すると同時に、汚染の拡大防止の方法を実践で習得しています。
環境コンプライアンス
SIIは各種環境法規制の適用を受けています。ISO14001に則り、各拠点では適用される法規制を明確にし、定期的に遵法状況を確認しています。
2022年度は、環境に関わる重大な法令違反、罰金、科料などはありませんでした。
■公害防止管理
SIIの各拠点では水域や大気などへの排出については、拠点ごとに法規制値よりも厳しい自主基準を設定し管理することで、遵法を確実なものにしています。
■廃棄物管理
SIIでは適正な廃棄物処理を推進するために、廃棄物処理委託先の現地確認を定期的に実施しています。契約内容に照らした確認のほか、受け入れや保管状況なども確認しています。
監査には本社の環境部門も同行し複数の目で確認するとともに、拠点間での情報の共有化を図っています。
水に関するリスク
SIIでは、水リスクについて評価し、リスクの低減に努めています。
水リスクの要素や範囲は多岐にわたりますが、SIIでは、まず国内の各拠点における、取水のリスク、排水の法規制強化によるリスク、及び有害物質が混入した雨水の排水リスクについて確認しました。その結果、操業上、また、環境汚染という観点からは、すぐに甚大な影響を及ぼすようなリスクはないことを確認できました。これは、これまでの設備や施設のメンテナンス、緊急事態を想定した訓練など、リスクを想定した対策の積み重ねによるものです。今後も引き続きリスクの低減に取り組んでいきます。